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中国2019年GDP伸び率 6.1%に鈍化 ってそんなに問題??

日経新聞 2020/01/17】中国国家統計局が17日発表した2019年の国内総生産GDP)は、物価の変動を除く実質で前年比6.1%増えた。伸び率は18年から0.5ポイント縮小し、2年連続で減速した。天安門事件の余波があった1990年以来、29年ぶりの低水準だ。米国との貿易戦争で製造業が振るわなかった。19年10~12月の成長率は前年同期比6.0%と7~9月と同水準だった。

19年の実質成長率は中国政府の目標「6~6.5%」の範囲には収まった。

19年の名目ベースのGDPは、前年比7.8%増の99兆865億元(約1600兆円)と米国に次ぐ世界第2位の規模。現在の為替レートで計算すると、3位の日本のGDP(約560兆円)の2.8倍だ。

足元では生産が回復し、製造業の景況感も改善するなど明るい兆しもある。15日に米国との貿易協議で第1段階の合意文書に署名し、新たな関税合戦にも歯止めがかかった。もっとも20年は19年の「2兆元減税」のような大規模な財政出動は見送りそうで、経済減速に歯止めがかかるかはまだ見通せていない。

 

 

さて、中国の2019年のGDP成長率が発表されました。6.1%増で昨年の6.6%増より鈍化していて、経済減速に歯止めがかからないと記事は報じています。

以前から不思議に思っていたこと。

それは”中国の成長率鈍化”と”経済減速に歯止めがかからない”はセットで報じられることが多いことです。これに疑問を感じています。

 

まず、中国は全人代で経済成長率の目安を設けています。この記事にもあるように、2019年は6~6.5%です。 2019年は6.1%ですので範囲内です。 

”減速に歯止めがかからない”という表現には、本来もっと加速したいが、現実は狙い通りいかずコントロール不足に陥っているような意味が含まれていると感じます。正確性を欠く例えかもしれませんが、自動車で60~65kmで走行したくて、実際61kmで走行できているならコンロトールできていると思うのですが。

 

合わせて現在の中国の5か年計画を思い出してみます。

中国は5か年計画という長期計画と、単年の計画で運営されています。古い記事ですが

[ロイター2016/3/6] - 中国の第12期全国人民代表大会全人代、国会に相当)の第4回会議が5日、北京で開幕した。李克強首相は第13次5カ年計画で、2016年から20年までの年平均成長率目標を6.5%以上にすると表明した。

 

因みに2016年6.7%、2017年6.9%、2018年6.6%、2019年6.1% (数値は中国国家統計局 実質GDP成長率) この4年間の平均は6.5%です。今年は落とせませんが、急減速とならなければ許容範囲じゃないですかね。それでもコントロール不能なのでしょうか。

 

最後に”前年比マジック”と個人的に名付けているのですが、前年の成長率との比較だけで判断するのは物事の一面に過ぎないと思うことです。 6%成長でも複利で12年で倍になります。実際、前年比と総額をチャートにすると(上が前年比、下が総額。IMFより)

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IMF_GDP_Growth

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上のチャートのように緑色の中国の成長率は2007年からは右肩下がりですが、下のGDP総額はしっかりした角度で上昇しております。日本は2010年に総額で中国に抜かれ、9年で差が2.8倍もついてしまいました。  もう一点注目は成長率のほうのチャートにある世界全体や先進国、新興国の成長率も大きく上回っていることです。これで減速に歯止めがかからないとは、どれくらいの成長率を求めているのか疑問に思う所以

です。

 

 

日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54500340X10C20A1MM0000/

ロイター

https://jp.reuters.com/article/china-parliament-idJPKCN0W804I