「投資にはリスクが伴います」とか「ローリスク、ハイリターンな商品」とか「出来ればリスクは回避したいよね」とか「あいつを誘うのはリスク高いだろ」とかよく言われますが、仕事をしていて一般的に使われる『リスク』と、投資において使われる『リスク』は意味が違うことが知られていないと感じる事があったので、改めて整理したいと思います。
『リスク』を知ればコントロールの余地が生まれて安心に繋がります。
目次
1.リスクとは
2.標準偏差は何か
3.一般的なリスクと投資におけるリスクの違い
4.マイナスリターンの回避が大切
5.リスクコントロールを考える
さーちゃん:0歳児。わからないことがいっぱい。冷静な女の子
はむすけ:私。証券営業マン。さーちゃんのパパ
1.リスクとは
はむすけ: 投資におけるリスクとは『不確実性』と表現される事が多いね
さーちゃん: よく聞くけど、『不確実性』って意味も分かりにくいでしゅ。将来の事なんて極端に言えば全部不確実でしゅ。
はむすけ: そうだね。将来の事は”正確には”誰にもわからない。 この”正確には”って事がポイントで、良い場面から悪い場面まで可能性の幅があるよね。投資の世界ではこの『ぶれ幅』の事をリスクと呼ぶんだよ。
さーちゃん: 『ぶれ幅』なのね。株式とか債券とか為替の価格がぶれることを『リスク』と呼んでいるのね。
2.標準偏差は何か
はむすけ: そういうこと! そしてその測り方として『標準偏差』って物差しがあるよ。
さーちゃん: ひょうじゅんへんさ??
はむすけ: 『ぶれ幅』を数値で表したもので、使い方は基準点から上下に標準偏差分のぶれ幅がある。と解釈するよ。 年金運用のGPIFの資料をお借りするよ。
さーちゃん: たまにみる表だけど、どう使うの?
はむすけ: 国内株式を例に使うと、、
基準点(リターン)±リスク(標準偏差) 5%±25%
7割の確率で -20%~+30%の範囲内のおさまる。 と考えるよ。
さーちゃん: じゃあ国内債券なら 1.5%±4% で、-2.5%~5.5% になるの?
はむすけ: そういうこと! 天才だね 誰に似たのかな^^
さーちゃん: はむすけじゃないことだけは確かね。ぶれ幅なしに!!
はむすけ: T_T
3.一般的なリスクと投資におけるリスクの違い
はむすけ: ここまでで一般的な『リスク』と投資における『リスク』の意味の違いは伝わったかな?
さーちゃん: 投資のリスクは『ぶれ幅』ってことね。
はむすけ: そういう事。 あくまで『ぶれ幅』で、一般的にイメージされる危険とか損失って意味はないよ。 将来には良い場面と悪い場面が想定されて、どちらになるかは”確実ではない”という事を『不確実性』と言って表現しているんだよ。
また、この『ぶれ幅』がリターンの源泉になるから、ハイリスク(=ぶれ幅が大きい資産)の方がリターンが大きくなるんだよ。 ローリスク、ハイリターンは存在しないのは幅がないのでリターンも大きくならないからだよ。
4.マイナスリターンの回避が大切
さーちゃん: じゃあ一般的にイメージする危険とか損失はどう呼ぶの?
はむすけ: そうだね。結果はプラスもマイナスも同じリターンと言うんだ。ここでは実損失=マイナスリターンと呼ぼうか。
投資においてリスクを避けることよりも、マイナスリターンを回避することがより重要なんだね。
さーちゃん: ぶれてもいいけど、損をするのは嫌ね。
はむすけ: とても大切な視点だね。 リスク自体を回避することよりも、コントロールをすることが大事。マイナスリターンを出さないようにね。 普段の生活でもやっていることだね。 車を安全に運転するとか、出来立ての料理を冷まして食べるかととおんなじ。
5.リスクコントロールを考える
さーちゃん: コントロールする方法はどんなのがあるの?
はむすけ: いくつかあるよ。
a.リスク資産の分別
b.リスク量の管理
c.時間分散
さーちゃん: a.リスク資産の分別はどういうこと??
はむすけ: 資産別のぶれ幅があったよね。自分で許せるぶれ幅の資産を選ぶということだよ。 例えば、1000万円があったとして、一時的なら250万円減っても、将来平均的に5%程度のリターンがとれるなら許容OK! とか、それは無理NGとか。
さーちゃん: 私はまだ若いから時間はたっぷりあるし、一番期待できそうな外国株式がいいかもね。お小遣いちょうだい^^ b.リスク量の管理は?
はむすけ: 1000万円まるまるで250万円は無理NGだけど、25万円までなら許容OKって感じなら、100万円の投資額に抑えれば、悪くても小さいマイナスリターンの止められるよね。ってこと。
さーちゃん: お小遣いはスルーされたわ・o・ a.は資産別のコントロール、b.は資産の中でのコントロールね。
はむすけ: そゆこと! c.は時間分散。 ぶれはあるタイミングでは-20%、あるタイミングでは+30%になることが考えられるから、時間をかけていく方法だよ。
さーちゃん: 時間をかけてぶれ幅を均していく感じ?
でも待って! それなら下がった時に多く買えば良くない??
はむすけ: いい質問だね。でも殆ど不可能じゃないかな。人間の能力でタイミングを予知することは出来ないと僕は考えているよ。
後講釈であの時は過熱していて、とかこの材料で上がったとか言うけど。証券取引所が出来てから400年(最古はオランダのアムステルダム取引所だそう。1602年設立)未だに普遍的で有効なタイミングを正確に測れる方法は開発されていないんだ。
それを追求するのも1つだけど。もっと労力がかからないのは長期で投資を続けることになっているんだよ。
さーちゃん: じゃあ必勝法を編み出せば大金持ちね☆_☆
はむすけ: そうだね。見つかったら僕にもこっそり教えてね。そのためには練習が欠かせないよ。
さーちゃん: 投資で使われる『リスク』は『ぶれ幅』を表す業界用語ってことね。
あれ・・・でもぶれ幅だけでは高値のタイミングで買ったものは時間かけてもそれ以上にプラスにはならないんじゃないの? どうして長く持つことでマイナスリターンを避けて、プラスリターンを得られる可能性が上がるの??
はむすけ: いいところに気が付くね。 今日のお話のリスクとリターンの関係は一時点の”特性”でしかなくて、時間軸を取り入れたプラスリターンやマイナスリターンの”結果”とは分けて考えなければいけないからさ。
そのあたりはまた別の機会に 今日はこれまで
さーちゃん: ありがとうございましたー^^ はむすけ!ちゃんと続き書くんでしょうね
はむすけ: なるはやで頑張るよ・_・;
分散投資の意義② 投資のリスクとは|年金積立金管理運用独立行政法人
続編できました 2020/09/27
参考になったとお感じになったら、ブックマークやTwitterをポチっとお願いします↓↓