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日本 2020年度税制改正大綱 決定と注目点 ベンチャー投資奨励、好循環狙う

日経新聞 2019/12/12]自民、公明両党は12日、2020年度税制改正大綱を決めた。大企業による異業種ベンチャーへのM&A(合併・買収)や次世代通信規格「5G」の通信網整備を促す税制を創設。デジタル時代の新産業を育てる減税を前面に出し、増税項目を抑えて景気減速に備えた。日本経済の成長底上げに重点を置いた改正だ。

日本企業の内部留保は18年度に7年連続で過去最高となった。20年度税制改正には企業がためたお金を、新たな経済環境に対応する投資に使うよう導く狙いがある。

ブルームバーグ 2019/12/12]

20年度税制改正の主な項目

  • 賃上げも投資も消極的な企業への研究開発税制などの租税特別措置の適用停止を強化
  • 現預金減少狙い導入された接待飲食費特例の対象から大企業除外
  • 企業版ふるさと納税は税額控除割合を3割から6割に上げ5年延長
  • 首都圏から地方移転を促す地方拠点強化税制を見直し・2年延長
  • 所有者不明土地への固定資産税、使用者を所有者とみなし課税
  • 日本酒の輸出用製造免許を新設、一層の輸出拡大図る
  • 子会社株式譲渡で損失を創出させる租税回避に対応する見直し
  • 未婚の一人親に寡婦控除を適用、条件は離婚や死別と同様
  • つみたてNISAを延長し、少額からの積立・分散投資を促進

 

さて、2020年度税制改正大綱が決まりました。税制は国が奨励したいことや制限したいことが税金を通して明らかになりますので取り上げます。

そもそも、税制はどのように決定されるのでしょうか。

まず、毎年8月ごろに各省から「税制改正要望」を聞き意見をまとめます。

次に、内閣が要望案を検討して「税制改正大綱」を閣議決定します。12月ごろに発表されます。今回の記事はこのことです。

そして、「税制改正関係法令」として翌年2月ごろに国会に提出され審議され採決されます。

 

では、今回はどんな態度が明らかになったのでしょうか。

まず奨励したいことは減税・負担減をしている項目に表れます。特に気になったものは

・事業会社によるベンチャー出資への所得控除

・5Gインフラの固定資産税軽減とその期間の延長

・企業版ふるさと納税の手続き簡素化、税額控除割合の引き上げ、期間延長

個人投資家からの「エンジェル投資」の税優遇の簡素化、対象拡大。

企業や個人から新技術・ベンチャーへの資金提供を後押ししたいようです。また企業版ふるさと納税で地方にも直接資金を回してほしいようですね。5Gはご指名で奨励するようです。普及が遅れていますからね。応援するようです。

 

次は制限したいことです。増税・負担増になる項目で特に気になったものは

・収益が拡大しているにも関わらず賃上げも投資も消極的な企業の特例措置の停止

M&Aなど子会社株式の譲渡によって譲渡損失を生む租税回避に対処

・富裕層の海外資産の取引記録の保管要請

収益があるのにため込んでばかりいる企業を追い立てるようです。子会社を使った租税回避はソフトバンクが抜け穴を見つけて使いましたので、穴を埋めてしまいます。富裕層は海外資産の保有状況の提出が義務づけられていますが、取引内容についても後から聞かれることがあるので記録を残しておいて欲しい。答えられないと追徴10%ね。ということです。 租税回避は国にとって重要なので対策を強化してきました。

 

 最後に、今回NISAの刷新も盛り込まれています。制度内容が少し複雑になっています。特に積み立てを重視しているようです。 個人的には積み立てはウケが悪いので

 わかりやすくお得感を出す内容にしてほしかった。 積み立て投資が有効な手段なのは認めていますが、多くの人に投資に踏み出してもらうにはドラマティックさが足りないです。 私たち証券営業マンの草の根運動を一層頑張りたいと思いました。

 

 

日経新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53293690S9A211C1MM8000/

ブルームバーグ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-12-12/Q2C5VBT0AFB501

財務省

https://www.mof.go.jp/kids/2018/qanda/q3.html