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FRB 矢継ぎ早に流動性供給 2020/03/21現在

【日経 2020/03/19】米連邦準備理事会(FRB)は新型コロナウイルスによる市場の不安を鎮めるため、資金供給策を総動員する。17日にはコマーシャルペーパー(CP)を購入して企業の資金繰りを支援する緊急措置を発動。銀行や証券会社には0.25%の低利融資を実施する。

FRBは新制度によって、必要なら1兆ドル(約107兆円)のCPを購入できるようになる。米国のCP市場の残高は1兆ドル強。主な買い手であるMMFマネー・マーケット・ファンド)が資金確保のためにCPを売却、発行金利が急上昇して企業の資金繰りにマイナスとなっている。今回の措置は、発行済みのCPをほぼすべてFRBが買い入れるだけの余力があることを示す。

 

【日経 2020/03/19】米連邦準備理事会(FRB)は18日深夜(日本時間19日昼)、安全性の高い債券で主に資金を運用するMMFマネー・マーケット・ファンド)向けに、緊急の資金供給に乗り出すと発表した。MMFは企業が短期資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)の主要な買い手だ。追加の資金支援に乗り出すことで、CP市場と企業の資金繰りを支える狙いだ。

 

【日経 2020/03/21】米連邦準備理事会(FRB)は20日、州政府などが発行する地方債を担保に資金を供給する新たな緊急措置を発表した。これまで民間銀行などに資金を貸し出す際には、米国債コマーシャルペーパー(CP)などを担保として取ってきたが、地方債も拡充することで幅広い市場の資金の逼迫を抑えることができる。

FRBは同日、日銀や欧州中央銀行(ECB)など5中銀を対象に米ドルの資金供給策を拡大することも発表した。FRBは5中銀を通じて日欧などの民間銀行にドルを融資しているが、これまで週1回のペースだった1週間物のドル供給を、23日から1日1回に増やす。

【日経 2020/03/21】FRBが19日に公表した18日時点の総資産残高は約4兆6600億ドル(約508兆円)となり、1週間前に比べて約3500億ドル(8.3%)増えた。2012年に始めた量的緩和第3弾(QE3)で資産が膨らんだ際の残高も上回った。

FRBの資金供給で急増しているのはレポと呼ばれる国債を担保にした短期資金の供給だ。銀行間市場でドルの短期資金の需給が逼迫。大量の資金供給で、金利の高騰や流動性不安を抑えようとしている。1日に2000億ドル規模で供給したこともあった。

 

さて、FRB流動性供給を大胆に行っています。 CP買取とMMFへの資金供給を強力に推進します。 特にCP市場と同じ規模(1兆ドル)の購入枠はとても大胆に思います。

合わせて銀行や証券会社には0.25%の低利融資を行います。

また、担保に地方債を加えました。国債、CPに加えて担保要件を緩和して資金を貸し出し易くしました。

結果的にFRBの資産は約4兆6600億ドル(約508兆円)とリーマン後のQE3よりも膨らみました。

米ドルの名目実効為替レートは34年ぶりの高値になっており。ドル需要が拡大しています。

背景はどんなことでしょうか。 まず思い当たるのはコロナウィルスで経済活動にも制限がかかっており手元資金を準備するためだと思います。

それ以外の要因はないのでしょうか。株価は下がり米国債やCPの利回りも上昇しており、売りが出ていると受け止めることができますが、金価格も下がっています。米ドル需要が増しているということは現金にしていると考えられますが、そんなことが起こっているんでしょうかね。MMFなどに積みあがる訳ではなく、現金として貯蔵されているとは信じがたいです。認識と現実にギャップがあるように思います。

何れにしても米ドル需要は増していますが、中銀が協調してドル供給をしているので資金が枯渇してぱったり心停止というような事態は防がれると思います。

 

余談ですが、日経新聞は米ドルの名目実効レートを用いて34年ぶり高値!と大々的に表現していますが、2002年のレートを上回っているため、それ以上のレートとなると1986年になってくるという事のようです。BISが数値を発表していますので確認しにいったところ、少々異なるところがあるように思えました。

この記事は途中で算出方法が変わった実効為替レートをミックスして表示していますが、比較から考えるとどちらかに揃える必要があるのではないかと思います。

そもそも実効為替レートは2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。対象国の範囲が27か国のNarrowと60か国のBroadの2種類があり、Broadは1993年以降しかデータがありません。

記事が言うように名目実効為替レートで2002年を上回っているデータが見つからなかったのですが私は英語も出来ませんので見る場所が違う可能性が高いのでもし教えていただけるなら幸いです。

一応データを張っておきます。

1.名目実効為替レート Broad 月次 1994年から

https://stats.bis.org/statx/srs/tseries/EER/M.N.B.US?t=i1&c=&m=B&p=202002&i=59.16

2.名目実効為替レート Narrow 月次 1964年から

https://stats.bis.org/statx/srs/tseries/EER/M.N.N.US?t=i1&c=&m=N&p=202002&i=59.16

3.(おまけ)実質実効為替レート Narrow 月次 1964年から

https://stats.bis.org/statx/srs/tseries/EER/M.R.N.US?t=i2&c=&m=N&p=202002&i=59.16

名目実効為替レートの説明は日銀HPを参考にしました。。(「実効為替レート(名目・実質)」の解説 : 日本銀行 Bank of Japan

  

FRB、資金供給策総動員 CP購入や証券会社に低利融資 信用不安の芽摘む :日本経済新聞

FRB、MMFに資金供給 企業支援へ緊急措置 :日本経済新聞

FRB資金供給 地方債も担保に :日本経済新聞

FRB、総資産最大に 主要中銀、資金供給を急拡大 :日本経済新聞