証券営業マンのハナウタblog

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2020年 中国全人代 結果まとめ(さ)

【2020/05/22 日経】中国で年に1度の重要会議、全国人民代表大会全人代、国会に相当)が22日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強(リー・クォーチャン)首相は所信表明にあたる政府活動報告で「感染症対策は大きな戦略的成果を収めている」と述べたが、終息宣言は見送った。2020年の経済成長率の目標設定は見送り、景気対策として財政出動を拡大する方針を示した。

 【2020/05/23 日経】 【2020/05/29 日経】

 

さて、注目の中国全人代が閉幕しました。かなり時間がたってしまいましたが要点をまとめておきます。

 

目次

1.全人代って?

2.経済成長率目標 

3.財政政策

4.金融政策

5.市場開放、貿易

6.米中関係

7.まとめ

 

さーちゃん:0歳児。わからないことがいっぱい。冷静な女の子

はむすけ:私。証券営業マン。さーちゃんのパパ

 

1.全人代って?

はむすけ:全人代が閉幕したね。新型コロナウィルスの影響で普段より2か月も遅い開催だったね。 

さーちゃん:ぜんじんだい??

はむすけ:そうだよ。全国人民代表大会。略して”全人代”だよ。中国の代表者が集まって国に方針を決める、日本の国会(=立法機関)にあたるものと言われているよ。

さーちゃん:その代表者は国民が直接選挙で選ぶの?

はむすけ:いきなり痛いところを突いてきたね。 省、自治区直轄市特別行政区の人民代表大会および中国人民解放軍から選出された代表で構成されるんだけど、ピラミッド状の階層になっていて国民が直接投票するのは一番下の階層だけ。あとは内部で選出されるから中国共産党の意見に沿わない人は選ばれないよ。

さーちゃん:じゃあ、国会といっても国民の意見が反映されるものではないのね。

はむすけ:そうなるね。そもそも中国は中国共産党が国の運営を指導すると憲法で決まっているから、民主的な方法をまねている儀式と捉えることもできるよ。

さーちゃん:そんな形式ばったものになんで注目しているの?

はむすけ:それはこれで示された計画通りに国家運営がなされるから、中国の方針を知る上で重要なんだよ。

 

2.経済成長率目標

さーちゃん:へぇー それでどんな方針が示されたの??

はむすけ:まずは経済成長率目標だね。 現代において経済と政治は切っても切れない関係だから、とても重要。 今回は数値目標は設定を見送ったね。

さーちゃん:あらら、とても重要なのに見送っているんじゃわからないじゃない。

はむすけ:まぁまぁ。 新型コロナウィルスの影響もあり数値は見送ったけど、方向性を読み解くことはできるよ。 

 李首相の会見では「中国経済は通年でプラス成長を実現できる。さらに一定のプラス幅で経済の安定を目指す」と言っていることから、現在のマイナス成長をプラスに変え、そのプラス幅も拡大させることを狙っているようだね。

さーちゃん:マイナスをどうやってプラスにするつもりなの?

はむすけ:減税・社会保障費の減免や職業訓練、インフラ投資で国民の所得を守るようだね。 消費主導の国家に生まれ変わる最中だから消費のもとになる国民の所得に重点を置いて対策を打っているね。

さーちゃん:昔みたいに投資・政府主導で成長率を膨らませる方法は取らないのね。

はむすけ:そういう事だね。今回も「小康(ややゆとりのある)社会」という文言がでていたよ。中国の本気度が見えるね。

 

3.財政政策

はむすけ:財政赤字の規模は19年比で1兆元増加を容認したよ。これで資金を確保。

さーちゃん:何に使うの?

はむすけ:中小・零細企業の失業や労災保険で企業負担分の免除などを20年末まで延長するよ。他にも、古い住宅の改築や鉄道建設などが使い道だね。

さーちゃん:企業の負担を軽減して雇用を守るのね。職業訓練にも力を入れるみたいね。 それに新しい建物を建てるのではなく、既にある建物を修繕することも住んでる人には良さそうね。

 

4.金融政策

はむすけ:金融に関しては2点。預金準備率と金利の引き下げなどを総合的に活用し、広義のマネーサプライなどの伸び率が19年の水準を上回るよう促す。中小・零細企業で融資の元金と利子の支払い猶予を21年3月末まで延ばす。

さーちゃん:ごめん、何言っているかわからない。

はむすけ:すまんすまん。まずお金の量を去年よりも増やすと言っているね。

さーちゃん:お金が不足しないようにするのね。お金が回ると経済活動は安心ね。

はむすけ:そうだね。 それと融資の支払い猶予も伸ばして、急な倒産を防ぐね。大手銀行には中小企業向けの融資を40%以上増やさせるね。これらも安心感を増す作用が期待できるね。 

さーちゃん:つまり資金が足りなくならないようにしてくれるのね。

 

5.市場開放、貿易

 

はむすけ:「外資参入を制限する分野を定めたネガティブリストの項目を大幅に減らす」 という事で引き続き中国を世界に開いていく意思を見せてるよ。

さーちゃん:全部信じられるものでもないんじゃない。中国はしたたかだから。

はむすけ:そうだね。でもすべてが嘘ってことはないと思うから、読み取れる分は理解しておきたいね。 消費主導にするには外資も入れて市場を活性化したいから解放路線は続くだろうね。

 

6.米中関係

 さーちゃん:米中問題はどんな態度なの?

はむすけ:米中に関しては「米中経済のデカップリング(切り離し)は誰の利益にもならず。 両国首脳の共通認識に基づき、協調と協力、安定を基調とする関係を築きたい」と言っているよ。 つまり、喧嘩別れはしたくないってことだね。

さーちゃん:普段は言い争っているけど、根っこの部分では仲良くしたいって感じ? ツンデレなのね ><

はむすけ:そういう感情はないと思うけど・・・ お互い持ちつ持たれつってことだね。全人代で決めているということは中国は協調関係を作っていきたいと思っているとみて間違いはないね。 

さーちゃん:じゃあ今後もまた米中貿易摩擦でぎくしゃくしても今年1月みたいに最終的には合意を重ねていく可能性が高そうね。 

はむすけ:そうなるね。 だから短期的な相場波乱要因になっても、長期でマイナスの影響は少ないと思うよ。下がったらエントリーのチャンスかもね。

 

7.まとめ

はむすけ:今回の全人代のまとめ! 

 中国は消費中心の国に生まれ変わる方針に変わりなし。そのために国民所得の向上や雇用維持、市場開放や米国との経済的協力は続いていくことでしょう。

さーちゃん:はい。よくできました ^^

 

 

全人代 政府活動報告要旨 :日本経済新聞

全人代 李首相会見要旨 :日本経済新聞

中国、成長率目標見送り 全人代開幕 コロナ「終息せず」 国家安全法、香港にも(写真=共同) :日本経済新聞

(全人代)中国「通年プラス成長実現」 李首相「まだ政策余地ある」 雇用維持に全力強調 :日本経済新聞