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気になったニュースをふふふん♪するブログです

気になったニュース盛り合わせ 2020/12/04~12/21

個別で記事にするほどではないけど、ピックアップしておきたいニュースの盛り合わせです。

さらっと内容と評価をまとめます。

 

目次

1. 後期高齢者の医療費窓口負担 1割→2割に引き上げ

2. ECB 追加緩和

3. FRB 緩和策の長期維持を宣言

4. 日銀 資金繰り支援策を延長

5. 日本 追加経済対策 73兆円

6. 米国 追加コロナウイルス対策 93兆円

 

1. 後期高齢者の医療費窓口負担 1割→2割に引き上げ

【2020/12/04 日経】75歳以上の高齢者の医療費の窓口負担を巡り、菅義偉首相が予定通り2022年度に1割から2割に引き上げる意向を固めた。議論が大詰めを迎えるなか、与党では「痛み」を強いる見直しの先送り論が強まっていたが、膨張する社会保障費を抑えるため一定の所得のある高齢者に負担を求める。08年の制度発足以来、現役世代に偏っていた負担の配分を見直す。

 

さて、高齢者の方にも若者にも辛いニュースです。記事では現役世代の負担を見直すとありますが、高齢者の方は負担が増えます。そして、若者は自分たちが高齢者になったときにも負担は軽くなりません。恩恵を受けることなく制度が変更になってしまいました。無念。

ただ、この記事はそれだけではなく。国民一人一人の自助努力を呼びかけるものであると感じました。今更な話ですが、この30年程度で国民の使えるお金は社会保障の縮小や年金の支給開始の繰り下げ、増税、給与の伸びの鈍化、金利の低下で減り続けています。不都合な大きな流れから目をそらさずに対策を練ることをおすすめします。 私は対抗策は株式を持つことだと思います。

 

2. ECB 追加緩和

【2020/12/11 日経】欧州中央銀行(ECB)は10日開いた政策理事会で、半年ぶりとなる追加金融緩和を決めた。コロナ危機に対応する資産購入の特別枠(PEPP)を1兆8500億ユーロ(約230兆円)へと、現在の1兆3500億ユーロから5000億ユーロ(約60兆円)増額することが柱だ。同枠での資産購入の期限も2021年6月末から22年3月末へと延長する。政策金利は据え置いた。

銀行にマイナス1%という超低利で資金を貸し出す制度(TLTRO)については、期限を22年6月まで1年延長する。

 

さて、ECBは宣言通り、追加緩和をしてきました。内容は今までの対策の延長や拡大で珍しいことはありません。コロナ対応の資産購入と銀行の貸し出し支援策の延長です。大胆さに欠けるのはECBですから仕方がないと思います。より強い緩和姿勢の表明やリスク資産の買い入れなどを行えばインパクトが大きいのですが。

前回欧州でコロナウィルスが再拡大していて、経済に制限をかけたニュースと取り上げました。この記事のラガルド総裁のコメントにもあるように、経済制限と経済対策、金融政策はセットで用いられることが示されました。一定の安心感を与えることはできると思います。

 

3. FRB 緩和策の長期維持を宣言

【2020/12/17 日経】米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会FOMC)で、米国債などを大量に買い入れる量的緩和の指針を強化して「米国債などの購入を、完全雇用と物価安定に近づくまで継続する」と表明した。

事実上のゼロ金利政策の維持も決めた。会合参加者は2023年末までの政策見通しも提示し、同年末までゼロ金利を据え置くシナリオが中央値となった。

 

さて、FRBは追加緩和策はありませんでしたが、現在の政策の継続を強く約束しました。これにより市場は今後の見通しが立てやすくなり、政策の信頼性が増し、効果を発揮しやすくなります。雇用はしっかり回復ペースを維持していますから、出口を勝手に想像して政策効果が出なくなることがないように釘を刺した格好です。コロナウイルスの抑制策は米国でも取られているので、セットで金融政策を調整してきました。

 

4. 日銀 資金繰り支援策を延長

【2020/12/19 日経】本日の決定会合で2つのことを決定した。1つ目は企業の資金繰り支援策を半年間延長し、運用面を見直した。具体的にはコマーシャルペーパー(CP)と社債の追加買い入れ枠を合算し、市場に応じて配分できる形にした。また特別オペで(残高に応じた日銀当座預金に上乗せ金利を付ける)コロナ対応のプロパー融資(自前融資)について1千億円の上限を撤廃した。

2つ目に、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行い、2021年3月の会合をめどにその結果を公表することを決めた。具体的には長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みを前提とした上で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の運営や資産買い入れなどの各種の施策について点検を行う。

 

さて、日銀もコロナウィルスの抑制策の副作用である経済停滞、失速を防ぐため資金繰り支援を延長し運用方法も微調整してきました。そして、3月の会合で現在の政策の総点検を行うようです。これは注目です。 今回の日銀の対応はコロナ抑制策の影響緩和であり守備的な変更です。

また、今回の質疑応答で気になった質問と回答を2つ取り上げます。

1つはETFの買い入れについてバブルを招いているや売却の議論があるとの質問。黒田総裁の回答が簡潔で素晴らしいです。このETF買い入れは株価を引き上げるためではなく、リスクプレミアムの低下を狙って行っています。このことが全然知られていないのかほぼ毎回記者から質問があがります。上げるためではなく、大きく下げさせないための策ですので狙いが違います。そのうえで売却の話題もでますが、投資家側がリスクテイクを積極的に行える状況になるまでは続くでしょうし、いずれ転換点は来ます。いうなれば補助輪なしで市場が走り出せるようになるまで日銀が見守るという姿勢ですから、補助輪が取れた時に下落を心配するのはあべこべの議論と言えます。

2つめは地域金融機関への新制度は中銀の裁量を逸脱しているとの質問です。総裁は「金融システムの安定確保という観点から地域金融の強化が必要と判断した」と回答しています。つまり、記者は地域金融機関に対して中銀が口出しし過ぎと非難した形ですが、日銀としては今のままだと地域金融機関が金融システムの安定を壊す爆弾になる恐れがあると回答しています。語弊を恐れずに申し上げると地域金融機関の収益性の低迷は、必要性が薄いことの表れと言えます。地域金融機関こそがゾンビ企業化しているんじゃありませんか? 自浄作用が麻痺しているように思われているので日銀や金融庁が口出ししていると受け止めています。私たち金融関係者の実力が試されています。

 

5. 日本 追加経済対策 73兆円

【2020/12/9 日経】日本政府は8日の臨時閣議で追加経済対策を決定した。事業規模は73.6兆円で、温暖化ガス排出「実質ゼロ」や官民のデジタル化といった中長期の成長戦略に51.7兆円と全体の約7割を投じる。新型コロナウイルス感染の収束後をにらんで変革を促す狙いだ。ただ20年度の新規国債発行は100兆円を超える見込みで、膨らむ対策費の効果的な執行が課題になる。

 

さて、日本の追加経済対策が決定されました。事業規模で73兆円とまぁまぁのサイズです。足元の感染拡大防止策とその後の経済の立ち直り策を打ち出しています。特に注目は雇用調整助成金の延長と実質無利子・無担保融資の延長などで当面の倒産を防ぐようにして、デジタル庁や二酸化炭素排出ゼロで経済活動を促し将来の需要の創出を狙っている点です。

日本もコロナウイルス拡大は不安ですから抑制策を表明しています。その副作用の経済停滞・失速を防ぐために政府は資金を使ってきます。新規国債発行が100兆円をこえていますが、これは日本の富裕層や銀行に預金している人から集めたお金です。政府の再配分機能が機能しているといえます。恩恵が特に無い方は株式を購入することで恩恵が自身の資産に反映されるようにできますのでおすすめです。

 

6. 米国 追加コロナウイルス対策 93兆円

【ワシントン=河浪武史】米議会の与野党指導部は20日、9000億ドル(約93兆円)規模の追加の新型コロナウイルス対策を発動することで最終合意した。法案の確定を急ぎ、21日に関連法案を採決する方向だ。中小企業の雇用対策に3000億ドルを充てるほか、失業保険の特例加算なども盛り込んだ。米国は新型コロナの感染再拡大が深刻だが、大型の財政出動で景気不安を払拭する。

9000億㌦の追加コロナ対策は、失業保険の特例措置や中小企業の雇用維持策を延長するのが柱だ。いずれも3月に発動したコロナ対策の中核施策だったが、12月末に制度が失効し、低所得層や中小企業の資金繰りが悪化する懸念があった。失業給付の特例は、州・地方政府の支給分に加えて連邦政府が週300㌦を加算して支援する仕組みだ。3月に発動したコロナ対策では週600㌦を加算していたが、規模は半減する。

大人1人当たり最大で600㌦を支給する現金給付も盛り込んだ。低所得層を中心に家賃の支払いや食費の確保を支援して、個人消費の失速を避ける。3月のコロナ対策でも現金給付を発動したが、前回は大人1人最大1200㌦だった。上下両院での関連法案の可決後、トランプ大統領の署名を経て成立する。

 

さて、米国もコロナウイルス抑制策の副作用の緩和のために経済対策を打ってきます。やっと成立しそうです。支援額は半分になっていますがまた現金給付もするようで大胆ですね。米国も経済の基礎の消費を途切れさせてしまわないように必死です。比較的好調を維持しているように見えるアメリカはこれだけの策を打ち出しているのは他国が参考にすべき姿勢だと思います。

 

「痛み」分配、高齢者も: 日本経済新聞

欧州中銀が追加緩和: 日本経済新聞

米、量的緩和を長期維持 「完全雇用近づくまで」: 日本経済新聞

日銀総裁会見要旨: 日本経済新聞

追加経済対策73兆円超、脱炭素・デジタルに軸: 日本経済新聞

新型コロナ: 米議会、93兆円追加対策で最終合意 上下両院で採決へ: 日本経済新聞

 

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